Blog

2025/10/08 16:14


犬の服を選ぶとき。

その布がどこから来たのかまで、考える人は多くないかもしれません。

けれど少し立ち止まってみると、当たり前のように手にしてきた素材の裏側に、命の犠牲が潜んでいることに気づくのです。


ウール、シルク、ダウン、レザー──。

それらは長く「自然の産物」と呼ばれ、暮らしを彩るものとして使われてきました。

けれど実際には、どれも命の犠牲を前提としている素材でもあります。


たとえばウール。

「毛を刈るだけだから大丈夫」と思われがちですが、現場では短時間で大量に刈るために、羊が乱暴に扱われ、ときに深い傷を負うことさえあります。

そして年齢を重ね、毛の質や量が落ちて商品価値を失うと、その羊は処分という結末を強いられます。


シルクは、糸をとるために繭ごと茹でられ、中にいる蚕の命が絶たれます。

ダウンもまた、羽毛を得るために飼育された水鳥が、生きたまま羽をむしられることさえあります。

そしてレザーも、副産物と語られることはあっても、その背景に命の犠牲があることに変わりはありません。


犬たちは、日々の食事で他の命をいただき、その恵みのうえで生きています。

それは、私たち人間も同じです。

食べるとき、そこにはどうしても命をいただくという現実があります。

私たちもまた、その現実に気づきながら、ときに目をそらしてきたのかもしれません。

けれど、服づくりは違うのです。

そこには “命を奪わない” という選択が、静かにひらかれています。


人は長い歴史の中で動物と共に暮らし、その恵みに頼ってきました。

それ自体をすべて否定するつもりはありません。

けれど今の私たちには、かつてはなかった選択肢があります。

化繊、植物由来の素材、リサイクル原料、──命を奪わなくても服を作る道が、すでに用意されているのです。

それでもなお、命ある存在に苦しみを強いる必要はあるのでしょうか。


犬たちは、自分がどんな素材の服をまとっているかを知りません。

だからこそ「私たち人間がどんな想いで選ぶか」がすべてを決めます。


Orianeは、命を奪わない素材を選びます。

それは、私たちが大切に守り続けたい想いであり、──揺るぎない信念です。


目には見えないやさしさを、犬たちがそっとまとうように。

Orianeは、そんな選択のそばに寄り添い続けます。






arrow_upward